アンチ・ドーピング活動の際のFAQ

薬剤師 イメージ
  • 情報提供(お問合せ対応時)の注意事項
  • 漢方(生薬)に関する問合せ
  • 食品、飲料、栄養補助食品(サプリメント)に関する問合せ
  • 「S0.無承認物質」に関する問合せ
  • 競技会(時)の禁止物質に関する問合せ
  • 監視プログラムに関する問合せ
  • TUE申請に関する問合せ

アンチ・ドーピングに関連する
情報提供(お問合せ対応時)の注意事項

禁止表国際基準(禁止表)は、最低1年に1回は更新され、その年の禁止表は1月1日から12月31日までの期間が有効です。

※1 情報提供する際は、必ず最新の情報をもとに対応してください。
参照:http://www.playtruejapan.org/code/

※2 禁止表は毎年10月1日頃に翌年版がWADAのWEBサイトに公開され、正式な日本語訳は12月上旬ごろにJADAのWEBサイトで公開されます。

Q

お問合せ対応時の注意事項

A

おくすり等のお問合せを受けた場合、以下の順序で対応してください。

1.受付
正確性を期すために、書面、FAX、メールでのやり取りを原則としてください。
電話での問合せに対しては、「聞き間違え、言い間違えがあるとアスリートやサポートスタッフの不利益につながる可能性があります。お問合せは書面、FAX、メールでいただけますか」と、まず聞いてみてください。問合せの記録を残すためおくすり問い合わせ用紙を使用してください。

2.検索
参考: ◆禁止表国際基準
◆Global Drug Reference Online JAPANサイト
◆海外の医薬品
アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、スイス、ニュージーランド 等対応可能

※禁止表は毎年更新されます。常に最新の情報をもって対応してください。

3.回答
正確性を期すために、書面、FAX、メールでのやり取りを原則としてください。

4.回答に困った場合、回答に自信がない場合
薬剤師会アンチ・ドーピングホットラインに問合せてください。
アスリートやサポートスタッフ等には、確実な回答を行うために時間を要すると伝えてください。
■薬剤師会アンチ・ドーピングホットライン

※ホットラインへ問合せの都合がつかない場合は、日本薬剤師会に問合せてください。
※情報およびお問合せフローの統一を図るため、JADAへの問合せは、日本薬剤会からの問合せに限らせていただいています。ご了承ください。

Q

お問合せ対応時の確認手順

A

お問合せを受けた場合、確認手順に沿って情報提供内容に誤りがないかを確認のうえ、情報提供を行ってください。

お問合せ確認手順

アンチ・ドーピング規則における
漢方(生薬)の取扱い

Q

構成生薬に麻黄、ホミカ、ハンゲ、ブシ、チョウジ、サイシン、ナンテンジツ、ゴシュユ、動物生薬(ジャコウ、カイクジン、ロクジョウ)のうち、1つでも記載がある場合

A

禁止物質を含んでいます。

Q

構成生薬に麻黄、ホミカ、ハンゲ、ブシ、チョウジ、サイシン、ナンテンジツ、ゴシュユ、動物生薬(ジャコウ、カイクジン、ロクジョウ)のいずれも記載がない場合

A

漢方薬は、動植物や天然物から由来しており、すべての含有物質が明らかになっているわけではありません。禁止物質を含有することが知られている漢方薬以外の漢方薬についても禁止物質が完全に入っていないと保証することができません。

アンチ・ドーピング規則における
食品、飲料、栄養補助食品(サプリメント)の取扱い

注意

栄養補助食品は(サプリメントやドリンク)などは、表示成分に禁止物質が無くても、その製品が禁止物質を含まないという保証はできません。
アスリートやサポートスタッフから回答を求められた場合、上記のリスクを認識したうえで、実際に摂取するか否かは、アスリート自身の責任で判断するよう情報提供してください。

Q

禁止物質の表示がある場合

A

禁止物質を含んでいます。

Q

禁止物質の表示がない場合

A

栄養補助食品(サプリメント)や健康食品の含有成分を確認する手掛かりは包装の表示や添付の説明書しかありません。しかし、これらにすべての含有成分が記載されているとは限りません。よって、表示成分に禁止物質が無くても、その製品が禁止物質を含まないという確認はできません。

「S0.無承認物質」に関する問合せ

Q

「禁止表国際基準のS0.無承認物質では、動物用薬が例示されています。すべての動物用薬はS0.無承認物質に該当しますか?」という問合せへの対応

A

無承認物質を含む製剤の例として、動物用薬が例示されました。人体への使用が認められていない物質(無承認物質)を含む動物用薬の使用はドーピングとして禁止されます。しかし、動物用薬であっても、その成分が人体への使用が認められている物質のみの製剤の場合は、S0.無承認物質には該当しません。ただし、当然ながら、動物用薬はドーピングとは関係なく、人体への使用が禁止されている製剤です。

競技会(時)の禁止物質に関する問合せ

Q

競技会(時)に禁止される物質の使用時期について

A

薬物の代謝速度は個人差があるため、検出期間については確定的なことは断言できません。競技会(時)の禁止物質が体内に残存した状態で競技会に参加する可能性がある場合は、TUE申請を行い、使用許可をとる必要があります。
トラマドールや糖質コルチコイドは、ウォッシュアウト期間を参照ください。

監視プログラムに関する問合せ

Q

監視プログラムについて

A

監視プログラムに記載された物質は、世界アンチ・ドーピング機構が監視することを必要と位置付けた物質であり、当該年における禁止物質ではありません。

TUE申請に関する問合せ

Q

禁止物質を含む医薬品の治療目的での使用について

A

監視プログラムに記載された物質は、世界アンチ・ドーピング機構が監視することを必要と位置付けた物質であり、当該年における禁止物質ではありません。

Q

TUE申請について

A

申請すれば自動的にTUEが付与されるわけではありません。
申請されたTUEは審査されて承認された場合にTUEが付与されます。TUEが付与される基準は、使用する禁止物質・方法について、

1. 治療上使わざるを得ない(使用しないと健康上の重大な障害を及ぼすことが予想される)
2. 他に代えられる治療方法がない
3. 治療として使用した結果、健康に戻る以上には競技力を向上させない


と認められる場合に限定されています。
TUEの申請は医療情報の提出や医師による記載が必要なため、アスリートが主治医に相談して、申請の手続きを進めてください。