ごあいさつ | 赤間高雄

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PROFILE
公益財団法人 日本薬剤師会 会長

公益財団法人
日本アンチ・ドーピング機構 会長
早稲田大学スポーツ科学学術院 教授

Takao Akama 赤間高雄

ご挨拶

スポーツの公平さを担保し、クリーンなアスリートがスポーツへ参加するためのアンチ・ドーピング活動を推進する中で、当機構は2009年に日本薬剤師会のご協力のもと、公認スポーツファーマシスト認定制度を設立しました。17年目を迎え約13,000名の認定者である薬剤師の先生方にアンチ・ドーピング活動へのご理解とご協力をいただいていることに感謝申し上げます。

認定制度の設立当時は、諸外国では競技力向上を目的とした『意図的なドーピング』が多かったのに対して、日本においてはアスリートが使用した治療薬がドーピング禁止物質であったために発生する『意図しない』アンチ・ドーピング規則違反の発生が課題でした。この状況を改善するために、薬の専門家である薬剤師を対象とした本制度を世界で初めて設立しました。ドーピング検査を実施する前提として、アスリートやサポートスタッフへの適切な情報提供が重要です。「この薬はこういう状況だったら大丈夫」とか「こういう状況になったら止めましょう」といったきめ細かいアドバイスは、薬剤師だからこそ可能になります。さらに、薬剤師のスポーツへの関わり方をアスリート対象のアンチ・ドーピング活動に限定せず、広く一般のスポーツ愛好家も対象とすることを想定して、制度の名称はアンチ・ドーピングファーマシストではなくスポーツファーマシストとしました。

オリンピック・パラリンピック東京大会(2020)を終えて、スポーツ庁はスポーツによるライフパフォーマンスの向上に関する施策を進めており、また、学校部活動の地域連携をきっかけとして地域スポーツの活性化を推進しています。このような社会情勢を鑑み、公認スポーツファーマシスト認定制度をより充実したものとするために、認定制度運営主体を一般社団法人日本スポーツフェアネス推進機構へ移管しました。日本アンチ・ドーピング機構は本制度の資格認定とアンチ・ドーピング領域のカリキュラム策定に引き続き協力してまいります。

新しいカリキュラムの公認スポーツファーマシスト認定制度は、認定者がスポーツにおけるくすりの専門家として広く活躍できる制度となることを確信しています。